第9回「野村胡堂文学賞」受賞作品は
砂原浩太朗 著『高瀬庄左衛門御留書』に決定しました!
一般社団法人日本作家クラブが主催しております第9回「野村胡堂文学賞」の受賞作品は、作家の砂原浩太朗(すなはら・こうたろう)氏の時代小説『高瀬庄左衛門御留書』(講談社、2021年1月刊)に決定しました。受賞作決定の公表日10月15日は、日本作家クラブの初代理事長を務めた野村胡堂(1882-1963)の誕生日です。授賞式は11月に都内で執り行います。
■『高瀬庄左衛門御留書』(講談社刊)概要
神山藩で、郡方を務める高瀬庄左衛門。50歳を前にして妻を亡くし、さらに息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身。残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きていた。しかしゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う。(講談社BOOK倶楽部「内容紹介」より)
■砂原浩太朗(すなはら・こうたろう)氏のプロフィール
1969年生まれ、兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社勤務を経て、フリーのライター・編集・校正者に。
2016年、「いのちがけ」で第2回「決戦!小説大賞」を受賞。
2021年、『高瀬庄左衛門御留書』(講談社)で第34回山本周五郎賞・第165回直木賞候補、「本の雑誌」同年上半期ベストワン選出。
他の著書に『いのちがけ 加賀百万石の礎』、共著に『決戦!桶狭間』『決戦!設楽原』『Story for you』(いずれも講談社)、また歴史コラム集『逆転の戦国史』(小学館)がある。
■「野村胡堂文学賞」とは
「野村胡堂文学賞」は、大正・昭和を代表する国民的大作家である 野村胡堂を顕彰する目的で、「一般社団法人 日本作家クラブ」が創立60周年記念事業の一環として創設し、2014年(平成26)1月に授賞式を行った全く新しい文学・文芸賞です。
新聞記者、編集者、音楽評論家などの多様な顔も持つ大先達、野村胡堂のなした膨大な仕事と、その生涯の中で、特に江戸の下町を舞台に“目明かし”が活躍する国民文学、捕物小説の一大傑作である『銭形平次』を著し、戦前・戦後を通じて庶民、大衆を勇気づけてきました。現在、時代小説や歴史小説は大衆文学の中で人気ジャンルの一つとして定着し、多くの作家が胡堂の精神を継承しています。
野村胡堂の作品に匹敵するような時代・歴史小説を出版し、「野村胡堂文学賞」にふさわしい作品を1点選出し、受賞作家には賞金と記念品を授与しています。