第10回「野村胡堂文学賞」受賞作品は
蝉谷めぐ実 著『おんなの女房』に決定しました!

一般社団法人日本作家クラブ(理事長・竹内博)が主催しております第10回「野村胡堂文学賞」の受賞作品は、作家の蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)氏の時代小説『おんなの女房』(KADOKAWA、2022年1月刊)に決定しました。受賞作決定の公表日10月15日は、日本作家クラブの初代理事長を務めた野村胡堂(1882-1963)の誕生日です。授賞式は11月17日(木)午後4時より神田明神内の明神会館にて執り行います。

■『おんなの女房』(KADOKAWA刊)概要

ときは文政、ところは江戸。武家の娘・志乃は、歌舞伎を知らないままに役者のもとへ嫁ぐ。夫となった喜多村燕弥は、江戸三座のひとつ、森田座で評判の女形。家でも女としてふるまう、女よりも美しい燕弥を前に、志乃は尻を落ち着ける場所がわからない。私はなぜこの人に求められたのか――。芝居にすべてを注ぐ燕弥の隣で、志乃はわが身の、そして燕弥との生き方に思いをめぐらす。
女房とは、女とは、己とはいったい何なのか。いびつな夫婦の、唯一無二の恋物語が幕を開ける。(KADOKAWA公式サイトより)

■蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)氏のプロフィール

(撮影/小嶋淑子)

1992年、大阪府生まれ。
早稲田大学文学部で演劇映像コースを専攻、化政期の歌舞伎をテーマに卒論を書く。広告代理店勤務を経て、現在は大学職員。
2020年、『化け者心中』で第11回小説 野性時代 新人賞を受賞し、デビュー。21年に同作で第10回日本歴史時代作家協会賞新人賞、第27回中山義秀文学賞を受賞。
22年、『おんなの女房』で第10回野村胡堂文学賞を受賞。

■「野村胡堂文学賞」とは

「野村胡堂文学賞」は、大正・昭和を代表する国民的大作家である 野村胡堂を顕彰する目的で、「一般社団法人 日本作家クラブ」が創立60周年記念事業の一環として創設し、2014年(平成26)1月に授賞式を行った全く新しい文学・文芸賞です。
新聞記者、編集者、音楽評論家などの多様な顔も持つ大先達、野村胡堂のなした膨大な仕事と、その生涯の中で、特に江戸の下町を舞台に“目明かし”が活躍する国民文学、捕物小説の一大傑作である「銭形平次捕物控」(文藝春秋刊『オール読物』連載)を著し、戦前・戦後を通じて庶民、大衆を勇気づけてきました。現在、時代小説や歴史小説は大衆文学の中で人気ジャンルの一つとして定着し、多くの作家が胡堂の精神を継承しています。
野村胡堂の作品に匹敵するような時代・歴史小説を出版し、「野村胡堂文学賞」にふさわしい作品を1点選出し、受賞作家には正賞(万年筆)と副賞(賞金)を授与しています。